英語の感性を磨いて、ニュアンスの違いを感じ取れるようにする専門家、さみーです。


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ここ最近、気温の変化が激しいせいか、
珍しく風邪に悩まされています。
生まれてこのかた、病気をほとんどしない体質だったですが、
今年は2〜3回体調を崩しています。
英語の勉強や塾の先生向け勉強会などで
都内へ行くことも多くなったせいかもしれません。

喉が痛いので音読が辛いです。。。
みなさんもお気を付けて。


それにしても街はクリスマス一色ですね。
こないだとあるデパートで
こんなキャッチコピーを見つけました。

Light me Christmas.

どうです?訳せますか?
おそらく、英語をある程度学んでいる人にだと
「私にクリスマスの光を灯して」
なんてとらえるかもしれません。

でもこの表現、実は英語的には不自然なんです。
ちょっとみていきましょう。

まず、lightが動詞として使われていることに注目です。
meというのは"I my me mine"で覚えた人も多いと思いますが、
目的格と呼ばれるもので、必ず目的語になります。
つまり、動詞の直後に置かれるということです
(前置詞の後ろにも置けます)

逆に言うと、meの前の単語は動詞として考えることができます。
なので、この文ではlightは動詞として使っている
と判断できるわけです。動詞で始まっているので命令文ですね。

次に文型をみましょう。
するとlight(動詞)me(目的格の名詞)Christmas(名詞)
となっているので、SVOOかSVOCとなります。
SVOCはOとCがイコール関係になります。
meとクリスマスはイコールにはなれないので、
ここではSVOOだとわかります。

さて、ここで思い出して欲しいのが文型の感覚。
SVOOは「〜に…をVあげる」感覚のときに使います。
なので、プレゼントする感覚や手渡す感覚が流れているのです。

すると直訳すれば
「私にクリスマスを光らせてちょうだい」???
はい、変な和訳になりますね。
そう、この文は英語としてはちょっと変な文なのです。
実際にネイティブに「どう思う」って聞いた所、
「christmasって渡せるものじゃないし!」って言っていました。

おそらく、lightには動詞の「火をつける・灯す」の意味がある
と覚えているだけの人は、この文をなんとなく雰囲気で、
「私のクリスマスを灯して」みたいな意味で
とられてしまうと思います。

ですが、文型をマスターしている人やネイティブからすると
これはJapanese English(和製英語)の表現で
ちょっとおかしな響きを持っていることになります。

日本語の能力が高い人は、
単語の意味でなんとなく文を捉えてしまいがちです。

なので、##英語のルールと感覚をきちんと結びつけて、
正しい英語を感じとる必要があります##。


ちなみにlightを動詞としてSVOOの文型で使うと
こんな感じになります。

“Light me a cigarette, darling,”(Breakfast at Tiffany’sより)

もう感覚がつかめますね。
「タバコに火をつけてちょうだい」という意味ですが、
人に手渡す感覚が流れていますよね?
これが正しいlightとSVOOの使い方です。

それではよい1日を
Have a nice day!